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ホーム活動報告

可児市教員・夏季人権研修会開かれる!

夏の教員研修の一環である人権研修が、7月27日に開かれた。オープン企画といい教員は、多くのプログラムがある中から選んでの参加となります。
可児市立広見小学校で開かれたプログラムは、「インターネットを悪用した人権侵害について」という依頼タイトルの講話(90分)であり、本センターの事務局長が担当しました。約40名の教員との一部ディスカッションでの講話でありました。

主な内容は、携帯やスマホ等のインターネットの爆発的な普及で、子ども達も多く使用している現状の中、ネットの特徴である匿名性や気軽なやり取りで不特定多数の人と交流ができてしまう。また四六時中、時間に気にせずにできる。多くのコンテンツがあり、ゲーム等ができる。子どもたちの盲目的な遊び感覚であると被害や加害者に成り易いことがあげられる。こうしたことでの人権侵害がクローズアップされ大きな問題となっています。インターネットは、自体は、ツールであり人権はないが、使う人の悪い知識・知恵での操作によって起ります。こうした問題を分析して、人権の観点からどのように対応したらよいかをパワーポイントを使い話しをしました。

次にレジュメに沿い主な講話内容の一部を記しておきます。

1、インターネット利用状況については、

世界での利用者は、29億2000万人 比率約40%。日本の利用者は、1億44万人で約83%(総務省統計により)

2、どのような端末で使われているかの種類別数と年齢層別実態

――スマホが約42%や携帯電話約25%で最も多い。6歳から12歳小学生の利用率は、73,3%であり、いかに多くの子どもが小さい時から手にしていることかが分ります。

3、ネットの長所と短所について

――は、参加者で考え意見を集約しました。

この短所の中に人権侵害の要素の多くが内在していることとなります。

4、人権侵害の定義とユーザ―の責任について

ネットの人権侵害は、表現の自由(固有の思想・信条を発信する自由)の本意の違いで起こる。

  1. 人権の固有性に反する。
  2. 人権の不可侵性に反する
  3. 人権の普遍性に反する。
  4. 他に人権の相互依存性・不可分性・非譲渡性にも反するためである。

但し憲法12条での多くの自由を国は保障するが、次のことの責任を個々が持ってやってくださいと言っています。
自由の権利は、

  1. 不断の努力で保持すること
  2. 乱用してはならない
  3. 公共の福祉のために利用すること
  4. この責任は、使用者にある。

故に使用者は、公序良俗に反したことの発信はしてはならない。
侵した場合、人権侵害(人権蹂躪)となり、名誉棄損罪等になることもある。

5、ネットの人権侵犯の実態と事例について

6、ネット侵害は、なぜ起こるかについて

  1. 何を書いてもかまわないと思うから。
  2. 匿名で書き込みや投稿できる思うから。

プロパイダー等により、ネットの書き込みは証拠が残るので、誰が書いたかわかります。

7、ネット侵害をしないために

故に

  1. 悪口・嫌がらせ・差別偏見等は、書き込まない。
  2. 嘘や不確定なことなりすまし・相手の個人情報は書き込まない。

8、人権侵害をさせないための子どもたちへの人権教育について

  1. ネット侵害の市民からの要望について
  2. 「対話」の重要性の教育について
    • メラミアンの法則では、話し手が聴き手に与える印象の大きさは、言語情報7% 視覚情報(顔の表情等)55%・聴覚情報38%だと言う。(米国心理学者:アルバートメラビアン著)
    • 人間は、自分の真顔を見たことがない。(鏡・写真は虚像)
    • まして、瞬時の自分の顔の表情など見れない。
    • しかし他人の表情を詠む才能は、驚くほど優れている。
    • 相手の振る舞いで判断している。
    • 対話こそ脳を育てる最高の「刺激」であり免疫力が増す。
    • 免疫力は、折れない心=対抗力=生きる力=自律的解決力(矜持・将来力)=ゆとりが出て。まわりが見えてくる=利他力(他人はの配慮力・共感力がつく)
    • 免疫力=寛容性・協調性(和解力)である。(免疫学者:多田富雄著)
  3. 現実世界への回帰教育について
    • 生涯があること=生まれて死ぬまでの寿命があることを。一刻一秒の積み重ねが人の人生)
    • 生きる上での量と質の違い(懸命にやることは大事だが価値あるものかと問う)
    • 我らと彼らの立て分けを「我々」と言う言葉で語った時のみ若い(平和)が実現する。(国際原子力機関元代表:エルバイダイ著)
    • 対話の重要性の例:今放映中の映画(ダルデンヌ監督):「サンドラの週末」の要点を朗読。
    • 感覚充実運動(見る聴く動く)活動を!
    • 子どもの夢を描けるように!ゆめ描き行事の実施を!「人類は、霊長類で唯一未来予測(見通せる)できる!」
    • 一人旅支援事業・なぜなぜ追究クラブの創設・統計グラフ発表会・相互メンターシステム(子どもリーダー育成)
  4. 「幸せ感の共有」教育を! 脳学者:中野信子著より
    • 個人での幸せは、脳が感じる働き。
    • 美味しかった・勉強で難しい問題が解けた時・子ども達との間での難問が解決した時。脳内快感物質:ドーパミンやベータエンドルフイン分泌による。
    • 教師は、最高の幸福者である。子どもの成長に苦悩している時にオキシトロンが多く分泌する。
    • 友達等と仲良くすること・友達を救う行為をしたときに、オキシトロンが多く分泌する。但し他人からの評価は必要ない。
    • 平穏無事よりも難題を解決し続ける方が、幸福感に満ちていると言える。
    • ネットのやり取りでは、脳の刺激が乏しいので幸福感を感じる機会を逃してしまう。

9、最後に、科学での発明は、

使う人により善にも悪にもなるのは歴史の事実です。
人間は、平和のためと言い戦争を続け、世界は、一つにと願いながらも分裂し紛争し続けたし、科学の発展は、情報社会をもたらしたが、情報による便利さは、人の思考を奪い情緒ある趣を感じさせなくしている。未来ある子ども達へのネット依存問題が今後の日本を揺るがす大きな課題になりつつあります。蝕まれる子どもたちに赤信号を早く伝えて育むのは、大人たちなのであり、また学校の使命と言えましょう。