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奇しくも同じ日「人権デー」と「ノーベル賞授賞式」のこと

今日10日は、人権デーです。奇しくもノーベル賞授与式も、毎年同じ今日なのです。
★人権デーは、第二次大戦後の1948年パリでの第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択された日を記念したものです。第1条には、「全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いの同胞の精神を持って行動しなければならない」とあります。1050年に国連でこの日を記念デーとして各国で人権の高揚等を図ることにした日が「世界人権デー」です。日本では、1949年に法務省と人権擁護委員連合会とで12月4日から10日までを人権週間としたものです。
★一方、ノーベル賞授賞式は、スウェーデンのアルフレッド・ノーベルが亡くなった日1896年12月10日を記念して行われるものです。
★今年も、日本からは、大村智氏と梶田隆章氏が受賞することは、昨今の報道で詳しくされております。
★この賞の淵源は、ノーベルが爆薬の素である「ニトログリセリン」を発明し、その運搬に安全容易な「ダイナマイト」を発明して莫大な富を残こして、遺言により毎年この資金の利息を5分野に分け人類のために最も貢献した人に与えるものとし、選考は、国籍等は一切考慮せず最もふさわしい人を選ばなければならないとしました。
ノーベルの発明したニトロを原料にした無煙火薬が、戦争で猛威を振るって多くの人の命が失われたことへの後悔の念からこの遺言を残したと言われます。

★ノーベルの残した賞の中に平和賞があります。平和賞は、創設当時にスウェーデン連合国であったノルウェーで同じ日に授与式が行われます。平和こそ人権の要であり、戦争こそ最大の人権侵害なのです。

★実は、この平和賞を1968年に受賞者したのは、「世界人権宣言」を起草したフランスの「ルネ・カサン」でありました。国連人権委員会の命を受け、この原案を作成し起草委員会に提出したものです。人権委員会の議長は、米国大統領フランクリン・ルーズベルトの妻エレノア夫人でした。
★ルーズベルト大統領は、マンハッタン計画で原子爆弾の開発を決断して急死。その後のトルーマン大統領により、広島・長崎への原爆投下へと連なっているのです。

★歴史は、皮肉なことであります、夫の罪をエレノア夫人が懺悔したかのように、国連では、人権宣言は拘束力のないことであることから、拘束力のある条約「人権規約」(現在:160か国締約)になるよう尽力しました。

「人権は、どこから始まるのでしょう。実は、家の周囲など小さな場所からです。余り小さすぎて世界地図には、載っていません。でもそれこそが人が生きている世界なのです。そこでこれらの権利を持たないとしたら、ほとんど意味をなさないでしょう」との言葉を残しています。本センターのモットーの「そばにある人権」こそ、このことに正に呼応した、大事なことなのです。(y・k)