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読書は、著者との心の巡り合い!

 読書週間が、10月27日から(11月9日まで)始まった。
秋の夜長、寝る前に布団に寝そべり、眠く成るまで読みふけることがいい。
これと言って本を選ぶことはないが、真面目に書かれ本がいいものだ。
昔「読書論」という亀井勝一郎氏の本には、「読書とは、著者に思いがけずに巡り合えることに似ている」との論があった。その通りであると思うことが時々あるので確かである。
その時は、本に折り目を付けるか、そこにある何かを挟み込んで置くことがある。
 時には、そこだけ破くこともあったり切り抜くこともある。だからメモやら紙くずのような紙袋が多くなってしまうのである。

人権の努めをしている。 世相に見合った問いの答えを探している時に、その思いが書かれていたりすると、つい嬉しくなる成るものだ。当然、吾輩の劣感には、いつも染み入ることが多いから読書は大事なのである。

 こんなことをソクラテスが、言ったということを聞いたことがある。
「他人が辛苦して成したことを、容易に自分に取りこめて自己向上する最良の方法である」
と。
人は、全く他人と同じ人生を歩むことはないし、何にも艱難のない人生などない。人それぞれの辛く苦しいことの体験を克服してきた人格がある人が書いているのだから、その人と同じ境涯の思いの一欠けらを感じ止められるだけでも儲けものと言うことであろう。
人のプライベートの思いを断りなくいただけるのだから、人権的にみてもオ-プンなのが本なのだ。

 本は、人の行動の源となることが多い。明治維新の獅子たちを育んだ本に「嚶鳴館遺稿」(おうめいかんいこう)
と言う本がある細井平洲(現東海市)儒学者の原著である。これを教材としたのが吉田松陰や西郷隆盛等だと言われている。
 
 人権行動は、必ずや難しいことでない。人間的に心豊かであるかどうかである。人の心を分かち合えるかどうかである。
だから、心の育みは、子ども時代での育みが大事である。資質となり易いからなのである。
赤ちゃんの時に親等から本を読んでもらった子ほど他者感情が豊かであり、このような子どもとのふれあい感情は、伝播していくとの研究論文を見たこともある。「読み聞かせ運動」「赤ちゃんブックスタート事業」「朝の10分間読書運動」は、大事なことである。

  本センターでも人権本巡回制度(ブックス・フロー)を実施して5年目となる。
小中の学校に特に人権的な人の心を育てるにふさわしい本を厳選して1カ月毎に巡回している。
(市の図書館の援助もしてもらっている)最近大変定着してよく読んでもらっている。子ども用と教諭用を同時に巡回している。(子ども用約40冊:教師用約20冊)

 ともかくも、子どもたちが「言葉力を育み」「思考力を深め」、「創造力を豊かに」して、「人への思いを巡らせられる人間力」を大いに発揮してもらいたいものである。そこには「いじめや暴力」の根源を断つ要が有るように思う。
総合的に読書は、会えない著者に巡り合えて心の対話ができ、人を育てるツールなのである。(y・k)