2011年6月23日男の品格について
男の人生は、いろいろである。
何がいつ起こるかわからない。
何が起きても驚かない覚悟を持っていなければならない。
指導者は、特に「不見識・偽善・無頓着・無責任」であってはならない。
その上でその人の持つ人徳が大事である。
孔子は、「上仁をこのみて、下義を好まざる者は未だあらざるなり」
と言って、仁とは徳のことであるから、
上に立つ人が徳をもてば下(国民)は、義を為すものである。
すなわち信頼すると言うことである。
信頼されない人は、こうしたことに疎(うと)いのであり、
指導者として相応(ふさわ)しくないということなのであろうか。
川北義則著「男の品格」(PHP出版社)の中で、「いかなる時も、
ゆとりさを持ち気高くそして潔(いさぎよ)く生きるのが男の品格である」
と言っている。
物事の流転の先をよく眺め、思いつきでない地に着いた
確かさを見据える大きな心のゆとりさをいっているのである。
「目の前にあるものをすぐに取りに行かない」それが男の品性なのだ
と作家の伊集院静も言っている。
なにか分かるような気もする。
最後に谷川俊太郎の詩「除名」に次のようにある。
「名を除いても人間は残る
人間を除いても思想は残る
思想を除いても盲目の命は残る
命は死ぬのをいやがって
いのちはわけもわからぬことをわめき
いのちは決して除かれることはない
いのちの名はただひとつ
名なしのごんべえ」
(ナナロク社発行「ぼくはこうして詩を書いてきた」より)
風刺の詩である。谷川俊太郎の友人が組織追放された
時の詩と言う。
「男が、使命に負けた時、潔(いさぎよ)く、王者の風格を持って次に備えよ」
と言っているのである。
「愚かな指導者たちにひきいられた国民も、また真(まこと)にあわれである」
との先哲の言葉を思い出した。(Y・K)