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ホーム心のビタミン

「かけがえのない自分自身を大切に」

 高齢の母が住む実家の鬱蒼とした植木が、帰省するたびに目につき、近所に迷惑をかけていないか、気になっていました。

 母に言っても無理なので、私がするしかないか、しかし外は暑くて虫に刺されるからやりたくないなぁ…と思っていましたが、意を決して自宅から、剪定バサミ・ノコギリ・軍手・ヘッジトリマー(生垣などを均一に刈り込むための刈込機)などを持参して、私達夫婦と息子2人の4人で実家の植木の剪定をしてきました。

 とても暑い日だったので、汗を流しながら(ワイワイと楽しそうな時と、ブツブツと文句を言っている時と色々ありながら)一通り気になる箇所は綺麗に片づけることが出来ました。

 

 中高生になると子どもは親に対して、反抗することも多くなってきます。その頃の私も今思えば、親に対して申し訳ないなと思う態度をしてきました。

 父や母が元気なうちは、反抗的な態度も出来ましたが、親が高齢になってくると親を気にかける気持ちが出てきます。

 

 中国古典に次のような言葉があります。

『身体髪膚(しんたいはっぷ)、これを父母に受く。あえて毀傷(きしょう)せざるは考の始めなり』(孝経)

【意味】私たちの体は、髪の毛や皮膚に至るまで、すべて父母からいただいたもの。これを傷つけることがないように、自分自身を大切にしていくことが、親孝行の第一歩である。

 十分な親孝行は出来ませんが、まずは「かけがえのない自分自身」を大切にすることも親孝行の一つかなと思うようになりました。

 

植木の剪定は「母のため」と思っての行為でしたが、それは、息子たちと楽しい時間を過ごす機会が持て、そしてストレス発散や日常生活からの解放感など様々な効果があり、その行為によってとても充実した一日を過ごすことができました。