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ホーム活動報告

可児市人権教育実践報告書発行!

可児市の各小中学校で構成されている「人権教育推進委員会」による平成28年度の各学校での一年間の人権教育の取り組みをまとめた冊子がこの発行されました。
本センターとの関わりは、事務局長と局員共に委員とし参加している。

本センターの活動は多岐に亘っているが、学校への事業も現在主要事業として3件実施していることから、人権教育としてのありよう等共に研究し合うため事業の説明並びに人権委員会・夏季研修会での講話をさせてもらい共に人権教育に資するために活動している。

この一年間各学校16校(小学校11校。中学校5校)での人権教育のいかに実施されたかをまとめた資料である。毎年発行して人権の大切な資料として受け継げられている。
本冊子に対して、本センターとしての講評をさせてもらい毎年提出している。
各校毎の講評であるが、総括のみ「つづき」以降に添付してあります。
但し各学校毎の講評は省略します。

全体的にこの近年各学校の学校経営のスローガンと共通の取り組みとして、児童生徒を中心とした学校づくりをされていて、人権の教育の模範となる事例活動が多く出来ている。素晴らしい活動が多く実施されています。

平成28年度「人権教育実践資料」の考察

平成29年3月23日
可児市人権啓発センター
事務局長 川手靖猛(文科省:社会教育主事任用資格者・法学士)

 桜花爛漫の春本番もすぐ近くとなりました。卒業式も終わり、入学式等ご多用のこととお察し申し上げます。

この度、28年度の各校における人権活動をまとめた、人権教育推進委員会「学校人権部会」の活動報告「人権教育実践資料」をお届けいただき早速・拝読させていただきました。

この一年間互いに人権教育につき、学ばせていただき感謝申し上げます 。
僭越ですが、ご感想をとのことですので考察せていただきました。

<はじめに>

本考察を見ていただく前に、本センターのホームページの目次の中の「展示室」の欄をクリックして、ご覧の上で、下記をみてください。

<総括>

①全校(16校)の実践報告は、各校委員の先生方の熱意が知恵となった、特徴ある内容が多くありました。

②子どもたちが、みんなでどれだけの拡がりを持ってでき、どれだけの子どもたちに本当の人権の育みがなされたかにあります。
そのため大切なことは、育む4要素(・人命を知ること・人心を知ること・人身を知ること・人縁を知ること)を理解され実践したかにあります。(このことは、先に出版しお渡しした本「じんけんなあに~」を参照ください。
この成果は、時の経過を見て、いじめ等の減少結果による見極めが、本来の成果となります。
熱意のあるところには、必ずや成果はあるものです。
「情熱は、伝播する」との、ハーバード大学の研究で明らかです。
何のために、どのようなことに、どれだけ時間を費やしたかのトータルが問われたのであろうと思いました。

③さて、実践報告を見させていただき、先ず素晴らしいと感じたことは、各学校が、人権への取り組みを総体的な取り組みとして展開され、より一歩深めるにはどうしたらよいかを子ども達共に創り上げている点であります。
こうした、心の醸成を第一として、いじめ等の人権差別偏見をなくす工夫をされ、実質効果を目指していることです。こうした動きは、昨年来から急速に意識変革されてきております。
内容が、濃密になっており、口だけでなく教師自ら演じてみせたりしながら、心に沁み込ます育みをされております。人権教育の極致のように思います。
山本五十六に言葉「やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ」の言葉通りだと思いました。

④ヨーロッパにおける人権教育は、先進的な育みをやっています。国連と供に行動する機関である「ヨーロッパ協議会」と言う人権団体が「コンパシート」(羅針盤)と言う例題を多く持つ体験的な学習を基礎にした学習サイクルを提唱しています。参考に検索してみて下さい、さらに新しいことの発想ができるかもしれません。
でも今やっていますことを、持続して深めていけば、この方法に近づくのだと思います。人まねよりも子どもと教師とが苦心してのことの方が、数倍の人権教育での効果があります。

⑤また本センターでの学校行事としている「標語・300字小説の募集」「人権本の巡回制度(ブックスフーロ―)」「子どもぬくもり教室」等をツールとしてより効果を上げるためプラスアルファの仕組みを工夫して、より多くの人権本を読むようにされ、また組み合わせて効果をより良いものに仕上げていただいていることは嬉しいことです。

⑥また、この下は、しっかりと人権の目的の合わせた授業がされている点にあります。
この点は、「人権教育基本方針」並びに「学校における人権教育の推進について」の中に明確に「教育計画の中に人権教育を位置づけ、意図的に計画的、継続的に指導する」とあることが、実質的な方途になっている証しであろうと考えます。

⑦「ひびきあいの日」の取り組みは、各校意欲的に取り組まれております。多くの工夫をされ子どもたちの多くが参画できる形を考えて、やられています。
響くこととは、大小の山の差異があればあるほど共振するものです。多くのすべて違う個性の子ども等そのものです。居ても立っても居られない心の悦びが反響し合いながら総立ちする姿です。
人の心の奧底から湧き上がる歓喜の叫びが、どこまでも鳴り響き続ける光景を想い起こして、どうしたら良いかを考えて見たらと思いました。ところが既に各校は、このことに近い立派な内容であるのにびっくりしました。
こうしたことの報告を、多様な中まとめたことに敬意を申し上げます。

それでは、各校の内容につき、見させていただきました。僭越ですが、このいくつかをお話します。

<吉田啓二委員長>

本年「人権教育推進員会」での数々のご指導本当にありがとうございました。
また、本センター25周年記念「人権教育優秀校」に「南帷子小」が受賞されましたこと心よりお慶び申し上げます。

<巻頭言>

★「今、部落差別を想う」は、人権の大事な観点を学ばせてもらいました。

 ・日本の人権は、「同和で始まり同和で終わる」といわれ、日本の人権運動の要であります。

・国が同和問題を昭和40年8月「同和対策審議会」が答申され、「国民的課題」に決定して、永久に日本人の心の醸成をするため、心していくこととなりました。

・日本人のこうした心の奧底にある、人としての偏見や差別意識の払拭は、言って聞かせて、心からの意識改革が必要なことです。     2

★命があるところに人権があります。生まれた身分、所により人権のあるなしは、おかしなことです。だれしもが持っている醜い命を喜びに変え、喜ばしながら生きる生き方の大切さを、如何に為すべきかを考えていくことが人権教育の大切さであるとが見て分かりました。

★吉田委員長がご指摘の「部落差別解消法」が昨年末12月16日に施行されました。「部落差別」の文言が入った法は初めてであります。

・今年は、西光万吉等による「水平社宣言」の「人の世に熱あれ、人間に光あれ」(1922年)の95周年の佳節となります。

★人権教育の重要な視点は、来年で宣言採択50周年となる、あの「世界人権宣言」を起草したエレノア・ルーズベルト女史が言っております「人権は、どこから始まるのでしょう。じつは、あなたの家のまわりなで小さい場所からなのです。あまり身近すぎて世界地図には載っていません。ご近所の人等、個人個人の世界こそ、始まりの場なのです」(要旨)と言っております。

この場とは、一人一人を大切にして、いかに心豊かに育んでいくかを考えていけるのは学校にこそ、あると思います。誰もが義務として集合的な場をもつのは、人生そういくつかあるものではないと思います。子どもたちの人権の育みは、この時のことが核(芯)となり、雪だるまのように何重にもなって成長するものと思います。

★「ひびきあいの日」は、各校共に特徴を持って、やられており素晴らしい内容を企画運営しています。①子どもたちの皆を対象に大切に②子どもの心の内側ながめ③人情感・正義感等を学校生活の中で為され社会に反映されるよう、多くのことを取り組まれていること敬服しました。

ここから各学校下の取り組みを見させていただきます。