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ホーム活動報告

市立「旭小」の「夏季人権研修会」開かれる!

 残り少なくなった夏休み、子どもたちは学校を離れて安気に、遊びにスポーツにまた家族と祖父母のいる田舎に帰える。どこも行けなかった子も地域の盆踊りの手伝いで汗を流していた。また花火大会で喜んでいた。年に一度の長期休みである。それぞれが思い出作りで謳歌してほしいものである。

しかし学校教職員は、そうはいかない。休みは子どもには、あっても自分たちは、多くの各自のタスクの研修が組まれたりする。
子を持つ教職員も多くいることを、一般人は気が付き難いのは、なぜだろうか。いつも気になるものである。
何と言っても、手抜きのできない多忙さは、教育タスクであり後がない職責のためであろう。聖職と言われる覚悟の使命での立ち位置であるからだろうか。

▼ 25日には、市立旭小学校において、本センターへの人権研修会の事前依頼があり、テーマも「人権的視点での教職員と児童・保護者・地域での振る舞い」を頂き、講話構成を考えながらパワーポイントの作成に追われた。本センターの既成の多事業とのからみを見ながら極(きわみ)の構成で次の講話をさせていただいた。特に保護者として教職員への要望については、女性局員から10年間保護者としての声を集めて主なことを発表した。他全体は、事務局長が担当した。

人権的な振る舞いは、培われた人格等からの所作である。同じ事のない所為ゆえ、人権例題は、余り役に立たない。その都度のぬくもりある人間的な知恵によらねばならないからだ。
人権のエッセンスの理解が先きとのことから構成し、講話とした。例題は、いくつかのケースごととして示した。

〇 初めに校長先生より挨拶をいただき、最後に教頭先生から講評を丁寧にいただいた、又人権担当の教師には、何かとお世話を頂きました。以下拙話を順に記します。

1、人権的視点=人権の基礎知識について

(1)人権のパラダイム(人間と人権との関係)

(2)憲法から見る人権の観念

=国民を守るもの(固有性・普遍性・不可信性・不可分性・不可譲性・依存性)

(3)人権の意義(一般定義・文科省人権教育定義)

=幸福の追求について

(4)人権を守るため人間としての規範

=法律・道徳・倫理・礼節

(5)人権的視点について(人権教育の進め方)

=個別的視点(個人への意識深化ーー事案からの辛苦の感情(直感)+普遍的視点(憲法・法律での人権の種類と内容の知識的な理解ーー人権侵害を自ら気が付き申し立て必要ゆえ)との融合教育

(6)子ども権利条約について

=「4つの権利」(平成元年:国連採択・54条)提唱エピソード(ペスターロッチとコルチャックとの師弟関係とコルチャックがナチスに子どもらと共に殺されたる前に、ポーランド政府に12項目の子どもの権利を残し死後47年後にポーランド政府から国連に提出され1989年に採択されたのが「子どもの権利条約」である。

(7)いじめ防止対策推進法H25・9(国の法律ができるまで経緯)

=全国に先駆けて提唱して、第3者機関としての「いじめ防止専門委員会」並びに市条例を制定(H22/11とH24/3)

(8)人権法と教育の流れ

①アフリカで誕生した女性から人類が広まり(10~15万年前)それから10万年位かけて世界に広がった。その当時の人としての持ち合わせていた資質を解き明かして、人間の権利としたのが「自然権」であり自由権のもととなった。(考え・居住・行動・貯蓄・食糧・健康・育み(未熟児として生まれる子どもを育てる習性が教育の原点となる)

②闘争の発生=部族・国の王との食料・土地・高税等による搾取・差別・偏見の争い(人権闘争)

③秩序作りによる民主的な社会構成=(心得:公務員は、職業であり、離れれば個人あり当然に人権を持つ。

  • 全体の奉仕者であり一部の奉仕者ではない。
    (全体:児童・同領・保護者・地域人)

④3権分立(立法・司法・行政)=国権力を持つ教職員は、行政(公務員で地方公務員)となり、国民の税を原資にしてつかさどる。

⑤国民の3義務=(納税・勤労・教育)但しこれは、保護者の義務であり子どもの義務ではない。学校へ行かない自由は、理由がある場合、子どもにはある(子どもの権利条約)

⑥憲法での人権=自由権・平等権・社会権(生存・教育・労働・参政・請求)特に法の下の平等(法で示している平等において平等であり、中身は、男女平等・教育の機会均等がある)

 平等とて、物においては出来ても心の感情はできないことである。同意と言う民主主義

 原理で、納得することである)公共の福祉・公序良俗という人が嫌がること納得できないこと等は、調停してやる事としている。

(9)●<一寸ブレーク>

教職員の使命を唄にして示した。(師恩こそ教職員の冥利です=唄は省略)

(10)人権を育む4要素

①人命を知る(命はどこに・生物は、なぜ死があるのか)

②人身を知る(人は皆役割を持って生まれたパズルピースのような考え・個性を大切に)

③人心を知る(人は自分の真実の顔を生涯、見ることは出来ない。まして瞬間の喜怒哀楽の時の顔は、相手がいて分かるもの、ゆえに対話こそ大切である。メールより会って話をしよう!「あなたは誰ですかと問うてみても、真実の答える証拠は出せません」

   パスカルは、「人間は考える葦である」といいました。結局は、何一つ本当の自分を証拠で示されないのです。みな仮の免許書程度です。

★パスカルは「真実は今ここにいる心で考えられる自分しかない」ことを言っています。

★「人の心は見えないが心遣いは見えてきます」「思いも見えないけれども思いやりはだれのも見える。(宮澤章二著)

④人縁を知る(どうしてあなたとわたし?)=と言うように一人で生きていけない人間ですが、社会の中で皆何でも無いように関わりあっていますが、「どうしてあなたとわたしが」と一歩引いて考えますと不思議な縁がそこにあります。この人たちと今、うまく楽しく過ごすことの連続が人生だとしたらいい加減さはなくなります。今が起点で人生はあることは間違いないのです。「私のクラスにようこそ」と歓迎する心に縁が存在します。

●<一寸ブレーク>幸福測定器の考案について=オキシトシン・ドーパミンの測定可能となったので、これを尺度にして、パルスモータに入力して、今の自分の幸福度を測定できるメカニズムを披露した。

(11)教育環境の大切さ 

(12)教師と児童の人間関係(人権配慮すべき点)

(13)児童が教師に望むだろうクラス

(14)人権的に理想とする学級

(15)教師へ児童が、お願いするだろうこと

(16)教師に人権的に望むこと

(17)保護者からの要望のこと

(18)地域の方からの要望のこと

★(19)研修課題ーー「人権言葉の良否」

=時間延長にて各自自修とする)

追記:①最近の人権の考え=「障がい者差別解消法」の施行にあたり、また過去のバリアフリー法等により漸進的ではあるが、道路の段差や駅構内のエレベーター化、各施設のスロープ化また障がい者使用器具の開発や改善等により、独自での外出がし易いなど生活の機会均等の考えも変化している。このため障がい者への考えもただ端に「かわいそう」の意で同情したり、気の毒がったり、憐れんだりのお助け的な考えは、人権上からも再考する必要が出てきている。しかし「やさしさの心」は心豊かな証しです。

障がい者に対しての個性的との捉えた考えで、人として平等の権利を相互に交し合えるためには、相手の心の負担を気軽に交し合えるように、自然体で、一言「お手伝いいりますか」などの言葉かけの後、相手の返答での対応が大切なことであろう。(y・k)