「ホーム」へ戻る

ホーム活動報告

逝く人への思い

 そばに置いて時々読むと、心和む本・勇気が出る本がいくつかある。
特に、詩を読むことが多い。詩心は、人権でいう「人間らしく」を、妙に端的な表現で捉え
余韻が心に染みるものだ。「吉野弘」等の詩集も好きである。
 また、人生を強く生きるに、良く読むのは、「船井幸雄」等の本である。
 この1月に「吉野弘」と「船井幸雄」の両氏が逝人となってしまった。
「吉野弘」詩集で有名なのは「祝婚歌」であり、夫婦での日常での生き方を綴っているから
、自分に重ねて安堵でき、気負いせず生きる、自然体を詠んでいることに共感している。
また「夕焼け」には、日常の電車の中で良くある光景、若い女の子が、年寄りに席を譲ったり・譲らない光景を、第3者的に思いを込め見ながら詠んでいて、その娘の心の内証はいかばかりかと追憶され、譲ってしまえば、心が映え綺麗なこの「夕焼け」を見ることが出来たのにとの思いが綴られている。
 本センターでの毎年募集の「300字小説」の題台にも、時々子ども達が書かれる構成でもある。
 生来から持ち合わせた道徳の素なのであろうか。
 次に「船井幸雄」は、自らの人生体験からの確信を分かり易く書かれているから好きである。
 読んでいて、自分の半生と重なり、やけに納得できるからである。また反省できることが多く、何かこの通りやれば行けそうな感がするのである。
 ともかく、両氏は、多くの人間に、生きる方途を示し切り感動を与えて逝く人となった。
最後に、人権の意義の<人間らしく「幸せ」に生きていくための権利>の中の「幸せ」のことを吉野弘は、<幸せと辛(つら)さと言う字は、一だけの違い。その一は何か。幸いの中の人知れぬ辛さ、そして時に、辛さを忘れてもいる幸い。何が満たされて幸になり、何が足らなくて辛いのか。>
と言っているのである。
  幸せも辛さも、裏表の関係にあるから、同じに感じるのは、辛さが無ければ幸せが湧かないことをいっているのか。辛さは、幸せの基づくりの為であろうか。
  ともかく次の著作が出てこないことは寂しいものである。全て人の命は限りありと言えどもーー。
合掌(y・k)