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ホーム心のビタミン

お互い様です

ある日の集まり。
食事の前後に、来なかった人の話になった。
「彼女は、身体のどこが痛くて、今日来れなかったんだっけ?」と、Aさんが聞いてきた。近所同士の二人。いつもなら、彼女がAさんを車に同乗させて、集まりにやってくる。
「腰と膝だよ」
また、しばらく他の話で盛り上がり、わいわいがやがやしていると、
「あの元気で達者な彼女は、身体のどこが痛かったっけ?」再びAさんが聞いてきた。
突発性難聴で片方の耳が聞こえ難いこともあるかな?と、思っていたが、どうも違う!?

食事を終えて、店の外へ。まだまだ話し足りない面々が話している。そこで、同じ質問。繰り返し聞いてきたので、そのつど納得がいくように説明し、分かってもらえたと思っていたが、それは間違いだった。

Aさんは一人暮らし。
帰宅後、集まりに欠席した彼女に、それとなく近所のAさんの近況を電話で聞く。
すると、こんな話をしてくれた。

この前、Aさんが自宅に本を届けに来てくれたので、お礼にトマトを手渡しした。夜になって、なんと電話がかかってきて、
「ありがとう。わざわざ家にまで、トマトを届けに来てくれたんだね。自転車のカゴの中に入っているのに、今頃気付いたわ。申し訳ない。」
「何、言っているの。今日、来てくれた時に、あんたにトマトを直に手渡ししたんじゃないの!」
「そんなことないって。来てくれたんでしょう。ありがとうね。」

どっちの言い分が正しいのか分からないような話だが、彼女は、しっかりしている。介護者を3人も抱えている彼女に、Aさんのことも気に掛けてもらうように頼んだ。もちろん、快諾。「買い物の合間に、寄ってみることにするわ。」と。
いつもながら、他愛もない話をしながら、元気確認、もっと言うなら、生存確認。

30代前半、子育て真っただ中に、仕事との両立はきつかったが、お互いに切磋琢磨しながら、あれこれ検討したり、作業したり、愚痴をこぼしたり…複数のメンバーが集まれば、一気に情報交換。聞き上手、話し上手などメンバーは様々。
共通の過去があるからこそ、多少のことはすべて許し合える。

夕食時に、「牛肉コロッケとカボチャコロッケと、どっちが食べたい?」とわが伴侶に尋ねたら、「クリームコロッケがいいね。」と返事。思わず、「ぶはあ、何、それ?」聞こえなかったのか、理解力が乏しくなったのか、珍回答。おまけに、牛乳コロッケに聞こえていたと言うから、笑いこけてしまった。

笑っていられることが幸せ。明日も明後日も、楽しい一日になりますように!(c・s)