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ホーム心のビタミン

The Best!

 ある歴史小説家の方にとってのベストは、「歴史小説の手触り伝える鎧」
「歴史小説を書くときに気になるのは、足軽や農兵たちがどんな風に兵糧を持ち運び、食べ、排泄し、寝ていたか・・・実際に、鎧を作って、着て、歩いてみて初めて分かることがあります。時代や地域の差が分かってくると、戦国時代の合理性が浮かんできます。」と。確かに、気になることばかり。

 何気ない日常生活でも、鎧を身につけての行動は、ただ着物を着ているのとは格段の差があったはず。しかも、指揮する立場の人であれば、万が一にも、死ぬことがないように、頑丈な鎧であったはず。
 実際に、鎧を作り、体験することで、見えなかった世界を探ろう、理解しようという考え方に、共鳴してしまった。

これまでにも、体験を通して、やっと理解できたことが数々あった。それらは、今思い出しても、自然と笑えてしまうことばかり。
 白無垢の花嫁姿になり、実家の座敷から手を引かれながら、近所の人たちの見送りの中、車の所までやってきた。日本髪に結った髪が、車の天井にぶつかってしまい、車に乗りたくても乗れない。もっと腰を低くして、前屈みになってといわれようと、打掛姿では思うようにもならず、最後は、誰かに頭を押さえつけられ、乗り込んだ記憶がある。その後、友達の結婚式の時には、車は改良され、頭がぶつかる部分は、開閉式になっていた。綺麗な花嫁姿に憧れていたが、着続けているのも、なかなか我慢がいるし、不便なことだと納得。女の人たちは、花嫁姿になった時点で、初の試練を受けるのだと思うほどだった。

 また、若い頃、職員旅行へ出かけてた先で、昔の駕籠が置いてあり、体験できるようになっていた。大人一人が乗り、私が前、もう一人が後にと、天秤棒のように担ごうとした。大人二人で担ぐわけだから、簡単に持ち上がって、軽快に歩けるだろうと予測した。ところが、少しも駕籠が持ち上がらない。一歩も進まない。歩み出せない。当時の男の人は、頑丈で、力持ち。身体全体が筋肉で満たされているとしか思えなかった。

 食のことで、好き嫌いの無いのが唯一の長所と思っていた。隣の畑の方から、
「こんな野菜が沢山できたから、食べてみない?」と、もらった野菜が、初めて嗅ぐ匂いがした。洗っていても、その匂いは強烈で、部屋中が匂っていると錯覚するほどだった。
 後日、その野菜の名前が「パクチー」だと知った。TVの中でも、タレントの人たちが「美味しいですよね。」と言っているのを聞くと、本心からかなと疑ってしまう。タイ料理が好きな人は、「パクチーサラダ」「パクチーラーメン」も好んで食べているらしい。
私には、一口も食べられない!!苦手なものが存在した。(C・S)