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ホームイラストギャラリー300字小説入賞作品の挿画

心の穴を埋め戻してくれた彼【平成30年度最優秀作品】

友達がいなくて、クラスで浮いてる存在の僕は、いつも陰口を言われている。その度に僕の心に小さな小さな穴が、少しずつ空いていく。

今では、ゲンコツ大くらいの大きな穴が空いてしまっている。もうがまんの限界だ。「今日も学校にいくのか……」そんなことを思いながら教室に入ると、やっぱり陰口は続いている。僕は耐えきれなくなった。すると、僕の目の前で予想だにしないことが起こった。

前の席の男の子が、大声でこう言った。「みんなもうやめろよ。」それから、僕に向かって、「友だちなのに、困ってたこと気づけなくてごめんな。」と謝ってくれた。

嬉しかった。そうか。友達か。僕は、穴の空いた僕の心を埋め戻してくれた彼を、大切な存在だと思った。


*講評*

陰口を言う人は、卑しい人です。
その人の心には、あなたよりおとることの嫉妬があるからです。
その人自身にも、もっと大きな穴があり、泥で埋めようとしているため、埋めきれないでいるかわいそうな人なのです。
声をかけてくれた人のような友達を大事にして、多くの友に気を臆しないで、いつも笑顔で勇気を持ってクラスや部活の友と青春を謳歌してください。