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ホーム活動報告

人権と「平和と戦争」考

 今日12日の朝、事務所の入り口の桟に鳩の訪問があり、突然のことでビックリしました。
少しの間、事務所の中を眺め、首を振って激励してくれました。呆気にとられていたら、やがて開かれた廊下の窓から飛び去っていきました。鳩は、「平和の使者」と言われます。

世界の情勢が、烈しく動いています。多くの国の指導者が、代わりました。動きが精鋭的になることを、心配します。
人はなぜ同じ過ちを繰りかえしそうになるのでしょうか。
歴史には、そうなるべき因が存在しています。その争いになる誘因があるのです。誘因とは、今の事象での因ではなく、もっと以前にあった過去に潜む原因であり、このことを考えなくては、解決できないのです。
その原点に立ちかえり、胸襟を開いて話し合い、国の安寧は、同じ人間・国民としての人間本来の問題と捉えていくことです。

大所高所から話し合い「ここを助けます」「ここを直してほしい」と話あいながら、互いの国民がこれから先、希望の光が見いだせ、勇んで進んでいかれるような上向きな状況を創り出すことです。このための共助をし合えば、争いに成らなくてすみます。
またその結果としての平和な世界こそ、人の大事の命を落とすこともなくなります。また争いでの多くの金を使わずに済みます。
この事をなおざりにして、自国・自分だけ良ければいいと言う状況下を創ろうとしている内は、同じ繰り返しとなります。
争いは、初めからそうした原因が生まれないように、対話していくことしかないのです。
今こそ、こうした考えへ移行することが大切なことのように思います。

国のこととて、人が良く生きる生き方の延長にあります。
その素に立脚しているのが、人権なのです。
その「人間が人間らしく幸せに生きていくための権利」である人権をベースに考えることです。
「窮鼠猫を噛む」になる詰めよりは、人間社会での最も危険なことです。
ともかく人の心を醸成しなければ、良い形づくりはできないことの道理は、皆同じです。
先立つのは、人の心の問題なのです。

ユネスコを創設する憲章の前文の有名な言葉をそえておきます。

(1)「戦争は、人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に砦を築かなければならない」

(2)「相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に、緒人民の不一致が、あまりにもしばしば戦争となった」

(3)「恐るべき大戦争は、人間の尊重・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代わりに、無知と偏見を通して人類の不平等という教養を広めることによって可能にされた戦争であった」

(4)「文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、かつ、すべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神を持って、果たさなければならない神聖な義務である」

(5)「政府の政治的及び経済的取り決めのみに基づく平和は、世界の諸人民の一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない」

(6)「よって、平和が失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築ずかれなければならない」

こうした精神を持ち運営されているユネスコのシンボルマークは、アテネのパルテノン神殿であり、「智の神」パルテノス(女神)であります。
「人類の知的・精神的連帯」を今こそ発揮すべき時で、大事な柱とすべきであります。(y・k)