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ホーム心のビタミン

素敵に生きる

「はーい、そこは、90度になるようにします」
算数の角度の学習?いえいえ、これは、きちんとした体操をしている真っただ中。椅子の上に両足を乗せて寝転がり、自分の足を90度に曲げています。
膝と膝の間は、握りこぶし1つ分空けて。両腕は、手の平を上にして、身体から45度離して広げています。
インストラクターの方の話される声が、眠りを誘う効果音のようになり、やがて心地良さにうとうと…。

「はーい、ゆっくり起きてください。」
即、現実に戻り、体操の続きが始まる。たったこれだけなのに身体は軽く、すっきりとした気分。約束事を守り、寝ているだけで楽になるなんて、不思議。

「体幹を鍛える・・・運動」そんなタイトルの本が何冊か、書店の健康コーナーには並んでいる。どの本を見ても、身体がすらりとして、いかにも運動で鍛えて、今の身体がありますと訴えているかのよう。ちょっとでもお腹に贅肉が付いたモデルだったら、親しみがわくのに?と考えるのは浅はかかなあ??

実年齢と健康年齢には、ずいぶん差があると聞く。
このところ亡くなった叔母は92歳。午前中、タケノコ掘りに精を出していた。午後になり、気持ちが悪いとか、吐き気がするというので、かかりつけ医に往診に来てもらったそうだ。脱水症状が出ているようだから、点滴をしてもらうことになり、そのまま眠るように亡くなったらしい。
正に、天寿を全う。
実母の三回忌法要の際も、叔母の元気に話す声が座敷中に響いていた。未だに、信じられないぐらい、100歳越えだねと話したばかりだった。

別棟に住む義母は、95歳になろうとしている。
「藤が綺麗に咲きだしたねえ」「カロライナジャスミンの花殻が落ちて仕方がないねえ」毎日あれこれ話しながら、箒を手に持ち、せっせと道路に落ちた花殻を掃き寄せてくれている。耳は、幾分遠くなり、補聴器もしている。背筋は、ピーンと伸び姿勢が良い。記憶力も抜群。風呂に来た折に、忘れ物をちょこちょこする。炊事、洗濯も自分でこなす。編み物を楽しんでいる。凄い!

久しぶりに「ピンコロ」という言葉を聞いた。
往生するまでぴんぴん生きて、亡くなるときには、人様に迷惑をかけないようにコロリと逝く。ちょっと前まで、そんな話を遠い話だと思っていたはずだった?が、やけに身近に感じるようになった。

背筋がしっかりと伸びていると、内臓が圧迫されず、身体にも良いそうだ。
姿勢よく、筋力を鍛えながら、健康寿命を全うしていきたい。
声帯も筋肉。楽しく話し、思わずにっこり。ワイワイガヤガヤ、姦しいと言われても、心優しい友人たちと過ごす時間はあっという間に過ぎていく。(c・s)