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通学防犯のあり方を考える!「子ども110番の家」提案者より

★また身が削れられる心痛なことが起こってしまった。川崎殺傷事件は、子どもと保護者が犠牲になった。心から哀悼の意を表しお祈りしております。そしてご入院されている皆さんの早いご快方をお祈りします。合掌

★いつも、こうした事件が起こらないように、市で起こったら「実行タスク」とする自身の責任と考えると、何をすべきかが智恵となって湧き上がってくるものです。

★スタッフと共に市内から、悲しい「いじめや自殺」等が起こらないよう、命の大切さを訴える活動を教育委員会等と協議し日々、具体的に考えながら続けてきました。市内の小中学校への人権活動を具体的な事業として本センターは、12年間続けてきました。

★事業の「継続は、力なり」をモットーにして、子どもたちが、「1センチでも心身の成長を!」願い「自分を大切に!・友達を大切に!」しながら「勉学に励めるように!」と、活動ツールを考え年々改善しながら、子どもに興味を持って共に考えられるよう、また子ども達自身が「今また将来に起こるであろう事」の対応を共に考えられるよう企画化しています。

★子どもに対する犯罪は、残念ながら限りなく発生しています。一つとして同じ事案はありません。それは、人間のやることだからです。加害者の犯罪の意識や境涯が違うからです。また被害者も生まれて間もないため社会生活経験が少なく、対応の知識と方法も学んでいません。

★人間には、だれしも人への良い心・また悪く働く心があるものと考え対応しなくてはならないことは、多くの歴史で分かります。簡単ではないのです。ナチスドイツの約600万人の虐殺も個人でなく多くの国民が係わりあっています。違うようでも、その人に係わる多くの環境的様相により、心の様相もいかようにも変わるということです。

★松本清張の著作の「鬼畜」は、子どもへの虐待死をテーマにしています。そこにある親が子どもを殺すことの様相が、描かれています。この命は、中国の思想家天台のいう「餓鬼」と「畜生」を併せて「鬼畜」という言葉で表しました。「餓鬼」とは、何でも自分の思い通りに欲しがる心で、周りの見えない飽和の心理状態に追い込まれている心です。「畜生」とは、弱肉強食の弱い者いじめを好み悦楽の心理状態だと言っています。こうした環境的様相が極強になるとナチスのような凶暴が誰にでもできてしまうのです。国も個人もそのようになれば、同じ心理の中で実行されると言われます。

★では、こういう心理の極限が、子ども達への犯罪となった時、いかなる対応を地域社会は取らねばならないかです。

<「子ども110番の家」の出来るまでの私の体験>(可児市から全国へ・安らぎ施策第1弾!)

平成6年の岐阜県下で通学時に子どもが殺されました。私が、その時に考えたのが「地域防犯」でした。防犯は、危険が付きまとう事で、警察のテリトリーでした。

★「通学時の状態の調査」をしました。当時小学校10校の通学時間を調べるにあたり、学校まで行く時間の長さを一番遠い家から学校までの時間を、1カ月がかりで子ども達と共に歩き記録しました。1時間を越える児童もいました。また当時団地建設が盛んであり多くの子どもが通学していました。ゆえに通学路の設定は既にでき集団登校もされていましたが、集団登校の集合場所までは個人である事が多かったです。

安全通学並び、安全防犯の考案の基本は、「点線から一点鎖線そして直線方式通学」面通学です。できるだけ細かく集まりをして一人通学距離を少なくし、見守りの方も多く依頼したうえで、だんだん多くの子どもの集団が、同じ位の時間に着くようスタート時間調整をして学校に着くようにするのです。この考えは、切れ目なく可能な限り連続(バス通学等が一番)だが、しかも大人と子どもの通学距離を、できるだけ長くを基本とします。

★当時は、バス通学については、文科省は、10キロ以上でないと認めていなく、しかも地図上コンパスでの平面測定となっています。歩くことでの体力付けもこの要素の一つでした。(今、どうかは?)

★当然可児市では、通学路決定時に通学路点検をして、ガードレール等も整備されました。

★その上で、「指定民家制度」の考案です。こうしたとしても多くの事情で、個々通学になることもあります。こうした事も考慮して登下校時、在宅の家・店・工場などに依頼し、何か危険状態またトイレ・雷雨時等に駆け込み出来ることも兼ねた家になってもらえるよう「子ども110番の家」としました。また犯罪抑止のためのステッカーも県警が作成して、整備をしました。こうした事情を踏まえて、PTA・父兄・警察の懸命なる努めで各校区が進めました。このことが広く拡大できたのは、あの神戸の事件(サカキバラ事件)の時に国からの通達で、可児市の防犯システムネットワークを学ぶようにとの経過であったようです。今では、約200万軒以上、全国に展開できています。

★未来ある、日本を背負う「子ども全てを一人残らず」国や地方公共団体・大人や親が見守り育てることは、至極当然なのです。本センターの会長は、今でも通学指導員で約30年のリーダーです。

文責(y・k)